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公立高校入試 倍率1.89倍の意味

 

2月23日(金)夜9時に、愛知県のHPにて、平成30年度 愛知県公立高校一般入試の志願者数、倍率が発表されました。

 

それを受けて、昨日の新聞に、「公立高、倍率1.89倍 4万6051人志願」という見出しとともに、高校別の志願者数、倍率が掲載されました。

 

 

 先日のブログ記事「平成30年度 愛知県公立高校一般入試の志願者数、倍率が発表されました」では、私立高校を積極的に選ぶ生徒が増えてきており、少子化で生徒が減った以上に志願者が減っている点を指摘しました。

 

その後、改めて新聞記事に出た倍率1.89倍を見て、更に疑問が湧いてきました。

 

 

全国的でただ一つだけ2校同時受験ができる愛知県で、倍率が2倍を切っている現状って、どういう意味なんだろう、と。

 

 

愛知県は、2校同時に出願可能という特殊な精度のため、倍率2倍を超えるかどうかが一つの判断基準と言われてきました。

 

2倍を超えている高校は、倍率が高い、2倍を切っている高校は倍率が低いという感覚です。

 

とは言え、併願校の組み合わせで、上位校の倍率が高ければ、不合格者が多く回ってきて、第1志望が押し出されてしまうという現象が多く見られるため、上位校の倍率、第1志望校の倍率、第2志望校の倍率と、3つを並べてみて、倍率が高いか低いかを判断しなければいけないのが、愛知県の特長でもあります。

 

 

その愛知県全体の倍率が2倍を大きく下回ったと言う事は、どういうことなのか。

 

 

もしかして、受験者全体の減少以外になにか他の要因もあるのではないか。

 

 

そこで、過去の入試倍率、公立のすべり止めである2校目を受験しない1校受験者数を調べてみたところ、こんな数字が見えてきました。

 

 

平成25年度 倍率:2.04倍 1校受験者:7,209人 (18.6%)

平成26年度 倍率:2.03倍 1校受験者:7,233人 (18.4%) 

平成27年度 倍率:1.97倍 1校受験者:7,423人 (19.6%) 

平成28年度 倍率:2.00倍 1校受験者:7,296人 (19.0%)

 

(受験制度変更) 

平成29年度 倍率:1.93倍 1校受験者:9,794人 (20.5%) 

平成30年度 倍率:1.89倍 1校受験者:9,311人 (20.2%)

 

 29年度から、受験精度が変更となり、推薦志願者と一般試験志願者が同時に出願となりました。

そのため、推薦志願者(11,622人)の生徒のなかで、1校受験者する人数が加わったため、数字が大きくなっています。

 

新制度での推薦志願者が、希望する1校のみで出願するか、念のためすべり止め校にも出願するかは

判断が難しいですね。

 

ただ数字を見ると、少しずつではありますが、1校受験者の数が増えて来ていることが読み取れます。

 

 

そう、無理に公立を2校受験するのではなく、行きたい高校だけを受験し、もし不合格になったら、滑り止めとして受験済みの私立高校に行こうと考えている生徒が増えてきていることが、この数字から読み取れるのではないでしょうか。

 

実際、生徒や、生徒の友人の出願状況を聞くと、1校受験者が多くいる印象を感じます。

(ウチでもこれまで1校受験は毎年1人いるかいないかでしたが、今年は3名に増えました)

 

ある意味、それだけ、真剣に受験する高校を選び、制限のある公立高校の併願先を無理に選ぶことをやめ、もし不合格だったら、無理に選んだ滑り止めの公立高校より、設備の整った私立高校にいくほうがいいと判断している生徒、保護者の方が増えてきているのだと思います。

 

これは、これまでだと、経済的理由からどうしても公立高校へ!というご家庭でも、私立の助成金などを考えると、なんとか私立高校でも通わせてあげられるのでは、と考えるように変化してきているのではないでしょうか。

 

 

 

また、別の機会に取り上げたいと思っていますが、今後私立の大学受験がより難しくなると言われています。

 

ただ、それは、あくまで一般入試の場合であり、系列校や、指定校推薦などを利用する場合は、意外に楽に進学できるため、大学進学を考えての高校選びがより重要となってきます。

 

 

 

中学生の皆さんや保護者の皆さん、高校受験がゴールではなく、あくまで人生の1つの通過点に過ぎません。

 

将来を見据えた上で、本人にとって良かったと思える選択ができるよう、一緒に悩み、考えてあげたいですね。

 

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プロフィール


西尾 信章(Nobuaki Nishio)


個別学習のセルモ
日進西小学校前教室 塾長

愛知県立東山工業高校(現在の愛知総合工科高等学校)卒業後、日立製作所へ入社。1986年、日立内の日立京浜工業専門学院に通い、のちに東京大学へ留学。2000年に退職し、7年間マイクロソフトで働く。その後2回の転職を経て、2012年7月に「個別学習のセルモ」をオープンした。

 

趣味は吹奏楽
名東ウインドオーケストラ、Nisshin Wind Orchestraに所属し、トランペットを担当

 

他にも洋楽カラオケや、ゴスペル、英会話も大好き

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