ここ数日、SNSで塾の先生方が読まれている本の一つがこの、「AIに負けない子どもを育てる」という本です。
以前紹介した「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の続編ですね。
前回は、読解力の無く、文章が読めないAIでも、これだけテストで点が取れるのに、文章が読めるはずの人間が点数で負けるということは、人間は、実は読解力が無いのでは無いのかという疑問からくる読解力テスト(RST)の実施と、その結果のお話でした。
そして、今回出版された「AIに負けない子どもを育てる」は、前書でほんの数問だけ紹介された読解力テスト(リーディングスキルテスト:RST)の体験版が掲載されています。
これを実際に解いてみることで、自分がどんな文章の読み方をしているのか、はっきり数値にでます。
せっかく明日、今年はじめての入試特訓授業があるので、その国語の時間にこのリーディングスキルテストの体験版を生徒と一緒に解いてみて、自分や生徒の読解スキルを一緒に分析してみたいと思っています。
また、筆者の新井先生が考案した、主に小学生を対象とした読解スキルをあげる授業の例が掲載されていました。
このあたりは、前回の本で子どもたちに読解力が無いという問題定義だけをして、その解決策がなにも書かれていなかったということへの回答だと思っています。
特に面白かったのは、最後の章にあった、大人も読解スキルをあげることができるのかという部分です。
新井先生の研究を手伝った研究者が実は全くと行っていいほど読解スキルが無かったそうですが、その彼が、研究を手伝い、文を正しく読むとはどういうことかをしっかり考えながら読んだり人に伝えたりしている内に、読解スキルがグンと跳ね上がったそうです。
その彼がなぜ読解スキルが上がったのかを自ら書いてくれています。
以前は、単語だけを拾って読んで、文の構造などはほとんど気にしなかったそうで、そういう読み方をしてしまうと、当たり前ですが間違えることが多くなります。
それを改善するために、問題をじっくりとていねいに読んで、助詞の働きを確認しながら正しい読み方になるように注意して読んだそうです。
そうやって読むことで、読解スキルが飛躍的に上がったとのことなので、明日のテスト結果が悪かった生徒には、普段、どうやって文章を読んでいるかをしっかり確認し、これから、どうやっって読めばいいかをアドバイスしてあげたいと思います。