昨日から、小泉進次郎 新環境大臣の「セクシー」スピーチがニュースになっていますが、そもそも、小泉環境大臣は、なぜニューヨークに行っているかご存知ですか?
それは、ニューヨークで行われている国連主催のイベントに出席するためです。
そのイベントの名前がこれです。
日本語では、「気候行動サミット2019」
通常、サミットとは、主要国首脳会議と訳されますが、今回のサミットには、その前にアクション(行動)という単語がついています。
これは、地球温暖化が待ったなしの状態にあり、話し合いではなく、主要国が「何をするのか」を持ち寄って発表する場だからです。
そして、この行動(アクション)の象徴とも言えるのが、スウェーデンの16歳の活動家グレタ・トゥーンベリ さんです。
グレタ・トゥーンベリ さんは、昨年15歳のときから、地球温暖化に対し何も行動しない大人たちに訴えるため、毎週金曜日 学校を休んでスウェーデンの国家前に座り込むデモをはじめました。
その真剣な訴えが、SNSで各国の若者に伝わり、20日の金曜日には、世界中163カ国で400万人の若者が、自分たちの未来の地球を守りたいと行動を起こすまでに広がりました。
そうした流れを受け、ニューヨークで行われる「気候行動サミット2019」に招待されたのですが、化石燃料を大量に使って飛ぶ飛行機を使いたくないと、なんと、ヨットで大西洋を横断しています。
この船旅を支援したのが、モナコのカシラギ王子がオーナーのヨットクラブ「チーム・マリツィア」。全長18メートルのレース用高速ヨット「マリツィアⅡ号」で、カシラギ王子も同船し、グレタさんと父親を載せニューヨークまで連れて行ってくれました。
動画で彼女が語っている通り、自分の行動(アクション)が世界に注目されれば、地球温暖化対策についても関心が高まると考えているようです。
無事ニューヨークについたグレタさんは、アメリカ議会や、気候行動サミット関連の各種イベントで積極的にスピーチで地球温暖化対策を行動に移して欲しいと訴えています。
そして昨日、気候行動サミットの冒頭、事務総長のあとに若者の代表として彼女がスピーとしたのがこちらです。
スピーチの冒頭、目の前にいる世界中の首脳を睨みつけながら、一言
"My message is that we'll be watching you,"
(私は、あなた方をこれからしっかり見させてもらう)
と各国首脳がどんな行動を起こそうとしているかを厳しく監視すると強烈な一撃を。
また、地球温暖化対策より経済成長を重視する各国首脳に向かって、”How dare you!”(よくもそんなことを!)と強い調子で怒りをあわらにしています。
彼女が怒っている理由は、世界中の大人たちが、地球温暖化対策に対し、まったく本気で動こうとしていないからです。
中高生は、公民や、現代社会の授業で、1997年に定められた温室効果ガス削減に関する「京都議定書」について習います。
この「京都議定書」では、先進国のみ、温室効果ガス削減の義務をおうことになっていましたが、それでは、経済成長をしている、中国、インド、ブラジルなどが出す温室効果ガスを削減できないからと、2015年に「パリ協定」が結ばれ全世界で2020年以降の温室効果ガス削減を約束しました。
しかし、この2020年に向けての世界の動きが遅いと、彼女は訴えています。
この演説を聞いて、以前ご紹介した伝説のスピーチを思い出しました。
1992年にリオで行われた世界環境サミットで、わずか12歳の少女が、世界のトップに向け「どうやって直すかわからないものを壊しつづけるのはもうやめてください!」と訴えた伝説のスピーチです。
こうした子どもたちの、真剣なスピーチを聞いていると、昨日の、小泉環境大臣の中身のない、上っ面だけのスピーチが恥ずかしくなってきます。
過去にニューヨークに留学経験があり、英語でスピーチできることを自身の強みだと思っているようですね。
しかし、通訳なしで、中身のない、そしてカジュアルな軽い英語で話をされると、かえって品位をさげていることに気づいていないのが残念です。
英語が話せることがゴールではなく、英語が話せることで、自分の伝えたい何かを世界の人たちに発信できるようになることがゴールだと思います。
そのためにも、英語を流暢に話せることより先に、自身の教養を高めることが大切だと、気づかせてくれたような気がします。
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