昨日の台風のニュースで自分にとって衝撃的だったのは、「関西国際空港」の水没でした。

いくら台風の雨がすごいとは言え、水没するってどうして？って思ってニュースを見てたら、高潮が原因だったのですね。

でも、正直、高潮の仕組みって今までじっくり考えたことなかったので、この機会に調べてみようと思いました。

高潮と聞いて思い出すのは、伊勢湾台風です。

1959年（昭和34年）ですから、私もまだ生まれていません。

それでも、記憶にあるのは、実家が伊勢湾台風の被害が大きかった海部郡の蟹江町だからですね。

伊勢湾台風の話は、子供の頃よく耳にしましたし、海抜ゼロメートル地帯のあの辺りは、いたるところに、伊勢湾台風時の水の高さを示す標識があり、それが自分の背の高さより遥かに高い場所に線が引いてあるのが記憶に残っています。

ただ、いままで、伊勢湾台風の被害は、高潮が原因だとはおぼろげに知っていましたが、どういったメカニズムでおきるのかは知りませんでした。

高潮の原因は、低気圧と風でした。

坂出市HPより

(1)風による「吹き寄せ効果」

　台風の中心は、周囲に比べて気圧が低くなっています。風は気圧の高いところから低いところに向かって吹きますので、この風が沖から海岸に向かって吹くと、海水が海岸に向かって吹き寄せらる「吹き寄せ効果」により、海岸付近の海面が上昇します。

　吹き寄せによる海面上昇は、風速の２乗に比例し、風速が２倍になれば海面上昇は４倍になります。

(2)低気圧による「吸い上げ効果」

　台風が接近して気圧が低くなってくると、それに応じて海面が持ち上がってきます。これが「吸い上げ効果」で、外洋では、気圧が１hPa低くなると海面は１cm上昇するといわれています。

今回の場合、気圧の影響で63cmほど海面が持ち上がったことになります。

この風と低気圧の2つ効果で実際に伊勢湾台風のときにどんな感じで潮位（海面の高さ）が変化したのかをシミュレーションした映像があったのでご紹介いたします。

動画の30秒過ぎ（画面内の時刻で9／26　19：00過ぎ）から、南からの風の影響で、伊勢湾の海面が持ち上がり始めます。

動画の40秒過ぎ（画面内の時刻で9／26　21：00過ぎ）から、大きく潮位があがり、名古屋西部と海部郡に一気に押しかかります。

今回の台風21号でも、満潮時間と重なった上に、低気圧の影響で持ち上がった海面が、南からの風で吹き寄せられ、高潮となって関西空港に襲いかかったようです。

空港自体は、04年の台風の被害を受けて、５ｍの高さになるよう護岸工事を行ったようですが、その護岸を乗り越えて、海水が侵入し、滑走路が水没してしまいました。

自然の力の恐ろしさを感じさせる出来事ですね。

こうして高潮の仕組みを見てみると、海面が持ち上がって海岸に向かってくる様子は、津波にも似ていますね。

なぜ？と思ったことを調べてみることで、いい理科の勉強になりました。

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