ノーベル賞が次々と発表される中、ノーベル医学生理学賞に、本庶佑（ほんじょたすく）・京都大特別教授（７６）と、米テキサス大のジェームズ・アリソン教授（７０）が選ばれましたね。

授賞理由は「免疫の働きの低下を防ぐがん治療法の発見」というがんの新しい治療法を切り開いたものによります。

ちょっと前なら、この「免疫の働きの低下を防ぐがん治療法」が新聞で解説されていても、理解できる人がかなり少なかったはずですが、今は、もしかすると小学生でも理解できるかもしれません。

なぜなら、先日紹介した「はたらく細胞」で、がん細胞と、それを退治する免疫系細胞の代表「T細胞」（とくにキラーT細胞）の戦いについて、コミックだと2巻と5巻でそれぞれ詳しく紹介されているからです。

アニメの方では、第７話でこのがん細胞と、T細胞との戦いが描かれています。

コミックやアニメでは、退治に苦労するものの、最終的に白血球やT細胞が、がん細胞を倒してハッピーエンドですが、実際のがん細胞は、簡単にT細胞に倒されないような仕組みをいくつか持っています。

その一つが、コミック５巻の中で描かれてた制御性T細胞によるガードです。

もともと、がん細胞はコピーミスでできた人間の体内の細胞です。

制御性T細胞には、自分の体の細胞を攻撃させないという機能があるので、T細胞が暴走して、正常な細胞までも攻撃すると、T細胞をおとなしくさせてしまう機能を持っています。

これを利用してるのががん細胞で、自分をガードするために、制御性T細胞を引き寄せてバリアのように活用します。（コミック５巻に描かれています）

コミックで描かれていない別の仕組みとしては、他に２つあります。

（詳しくはこちらのブログがわかりやすいです。）

１つが、樹上細胞をT細胞が活性化させるのを防ぐ仕組み。

（コミックでは、樹上細胞が思い出の写真などを使って、T細胞を元気にさせていましたよね）

もう１つが、T細胞が攻撃してはいけない細胞だと認識するためのスイッチを悪用する仕組みです。

樹上細胞をT細胞が活性化させるのを防ぐ仕組みに使われるタンパク質が「CTLA-4」で、米テキサス大のジェームズ・アリソン教授が発見しました。

そして、もう１つのT細胞が攻撃してはいけない細胞だと認識するためのスイッチが「PD-1」分子と呼ばれるもので、本庶教授が発見したものです。

新聞での解説のイラストでは、T細胞のブレーキスイッチというイメージで紹介されていますね。

このあたり、はたらく細胞が大好きな子どもたちは、マッチョなT細胞を思い出しながら、イラストを見ていると思います（笑）

こいつです（笑）

もしかして、この先、はたらく細胞の中で、このノーベル賞の受賞内容をわかりやすく解説してくれるストーリーが描かれるかもしれませんね。

学校の勉強が役に立たたないなんてよく言われますが、生物などは、自分の体についての話なので、理解しておけば、将来、病気にかかったりしたとき、体の中で何が起きているか、想像できますよね。

今回のように、理解が難しそうなニュースも、正しく理解できるようになりますよ。

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