中3の社会の中間テストは、今学習中の公民分野だけでなく、入試に備えて、地理や歴史が実力問題として出題されます。
中1、中2の頃の地理や歴史のテストは、指定された範囲をどれだけ細かく覚えていられたかといった感じのある意味「暗記力」テストでしたが、入試の社会は、そんな暗記力に頼っていたらまったく得点が取れない「思考力」中心の問題となります。
そういった、難易度の高い入試を見据えて、学校の定期テストでも、こうした「思考力」を問う、特に複数の資料を活用して考える問題が出題されています。
思考力を問う例としては、上記の、平成30年の愛知県高校入試Bグループの地理の問題です。
東北6県、青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島の「県内総生産」「面積」「海岸線延長」「林業出荷額」の4つのデータが提示されています。
ここでは、細かいデータを暗記しておく必要はありません。
データは問題中に提示されているので、それらの順位や、データの持つ意味をどれだけ理解しているか、そして、それを「思考力」を使ってどれだけ活用できるかが問われています。
たとえば、「県内総生産」であれば、東北6県で一番経済が発達しているのは、人口もおおい仙台市をもつ「宮城県」ですね。これで、「県内総生産」TOPのAは「宮城県」とわかります。
「面積」であれば、どれも大きさがにているとは言え、一番大きな県は、岩手なので、
面積が一番大きなBが「岩手」とわかります。
残った2つの県で、「海岸線延長」が長いのは2つの大きな半島をもつ「青森」なので
Cが青森県、で残りの、Dが「林業出荷額」No2 秋田杉で有名な「秋田」ですね。
ここまでの中で使った知識→思考力は、
といった感じで、暗記が必要というより、使える知識を持っているかどうかということのほうが大きいことがわかります。
そこで、今日は、東北地方の大きさの順が曖昧だった生徒を捕まえて、見て、触って、楽しみながら大きさを覚えてもらいました。
こうやって、地図パズルを使って、並べながら大きさ、位置関係を改めて観察してもらうと、いろいろなことがわかってきます。
東北6県の大きさ順とか、関東地方の県の並び方、中部地方の広さ、関西地方の県の小ささや、並び方など。
これらは、教科書や、地図帳を見ていただけでは、なかなか理解しづらい部分ですが、こうして、実際の大きさを手に持って、並べて見ると、一発で理解できますね。
最近は、ITのタブレット上で、手軽に遊べるようになっているのもありますが、時間や場所が許すのであれば、やはりこうした「物」を触って並べてという感覚も使って覚えられる「地図パズル」をおすすめします。
ちなみに、塾長も、同じパズルを小学時代に遊んでいたので、日本地図の各県の位置関係や名前、形、大きさなども、今でもすぐにイメージできます。
勉強は、書くだけでなく、こうした遊びの中からも学べることが多いので、いろいろなものに触れられる機会を作ってあげたいなと思っています。
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